目次
1. 建築用下地材ってなに?
最近DIYが好きな人って増えてきましたよね。
え!?
DIYってなんの略かって?
それでは説明しましょう!
DIYというのは“ Do It Yourself ”の略で、家具づくりや家の改修など、いろんな材料や工具を使ってプロに頼まずに自分で作ってみる、いわゆる「日曜大工」のことです。
最近では八王子市出身の有名なタレントさんが、芸能人のお宅をあれやこれやとリフォームする番組が人気を博していましたね。
そんなDIY好きの人でも、知っているのは半分以下じゃないだろうか……という、あるモノが今回のテーマ。
それが
《 下地材(シタヂザイ) 》
です!!!!
下地材は建物の床や壁、天井などを作るときに、最終的に入れる「仕上げ材」を支持するため構成される部材のこと。材質は金属や合成樹脂、木材などさまざまで、使用場所に合わせて遮音性、断熱性、透湿性などの特性を組み合わせて使うそうです。
と、言われてもちんぷんかんぷんな我々は、実際にそれを作っている会社にお邪魔してみよう!ということに。
一般的にはあまり知られていない建築用下地材の世界はどうなっているのか?
そこで働くのは一体どんな人たちなのか?
潜入取材で明らかにしていきます!!
やってきたのは埼玉県神川町にある児玉工業団地。
そのエリア内にある
トーケン工業株式会社 関東営業所&関東工場
に今回お邪魔します!
広い敷地内には社屋と大きな工場が、目に見えるだけで2つ3つありますね……。
さらにあの奥にある巨大な建造物は何だろう?
※それは最後の方で明らかになっていきますのでお楽しみに
それでは今回の取材を引き受けてくださった所長の清水さんです!
清水さん 「こんにちは。私が所長の清水です。本日はよろしくお願いいたします」
編集 「こちらこそ取材を快く受けてくださってありがとうございます。よろしくお願いいたします。さっそくなんですが、トーケン工業さんが主に作っている建築用下地材って、一体どんなものなんですか?」
清水さん 「さまざまなものがありますが、建物の骨組みに関係するもので壁や床、天井を補強したり間仕切りをしたりするもの、という説明がわかりやすいと思います。その中でも当社では軽量鉄骨下地という、軽くて耐震性にも優れている建築用鋼製下地材の製造販売が中心で、公共建築物をはじめショッピングセンター、高層ビル、マンション、物流倉庫などに広く普及しているんですよ」
編集 「なるほど! まさしく縁の下の力持ち……いや、カベのウラの力持ちですね!」
清水さん 「あ、うまいこと言いますね。そうそう、今日はせっかく取材に来てもらったので、当社が誇る営業三銃士を呼んできます」
えーっ!!
何ですか営業三銃士って!!!!????
2. トーケン工業の営業三銃士登場!
松本さん 「はじめまして。トーケン工業営業三銃士のひとり、松本です」
編集 「あっ、あなたがウワサの三銃士ですね。スラッとしてなんか騎士みたいで説得力があります」
松本さん 「ハハハ、ありがとうございます」
編集 「松本さんは営業職ということなんですが、トーケン工業さんの商品をどうやって売っているんでしょうか? 実際、何メートルもある建築用下地材を担いで『これどうですか?』なんてできないじゃないですか」
松本さん 「たしかにそんなことはできないです。まぁ、担いだとしても後ろを振り向いただけで半径数メートルを破壊しちゃいますしね(笑)。私たちのお客様は基本的に建設関係の会社がほとんどなので、目の前に現物がなかったとしてもイメージの共有はできていますし、そこは心配ないです。ただ、自社商品はもちろん、他社の商品も含めてかなりの商品数がありますから、それを覚えるのは大変でしたよ」
編集 「ざっくり言うと何種類ぐらいあるんですか?」
松本さん 「そうですね。まあ、ざっと数千……」
編集 「数千!!??」
松本さん 「まぁまぁ落ち着いて(笑)。その中でもよく扱う商品に絞れば数百種類程度ですよ。そのくらいは仕事をしていくうちに覚えていきますし、ひとつの商品から派生したものも多いので系統立てていけばちゃんと頭に入ります。そこまで恐れおののくようなことではないですよ」
松本さん 「大事なのはただやみくもに覚えることではなく、自社商品を説明するために比較対象としてどの商品を説明できた方がいいか、など、目的に合わせた覚え方をすることです」
編集 「たしかに! そうすれば覚えることが辛くなさそう……」
松本さん 「あ、次の三銃士がやってきたので交代しますね。私はこの後、工場ガイドとして皆さんを案内します。のちほどお会いしましょう」
サッ!
去り際もさわやかな人だ……。
高橋さん 「こんにちは! 私は二人目の営業三銃士、高橋です」
編集 「今日は取材を受けていただいてありがとうございます。高橋さんは三銃士の中でいちばん若手だそうですね?」
高橋さん 「そうなんです。中途で入社して5,6年です」
編集 「ちなみに、前職はどんな仕事をしていたんですか?」
高橋さん 「金属をリサイクルする会社の営業です。そのときは買い取りがメインだったので、この会社に入って今度は売る側になりました。だから最初はギャップがありましたね。売る側の人はこんなことを考えていたのか! と驚くことも多々ありましたよ」
編集 「そうでしたか。でも、それなら高橋さんは買い手の心理がわかるから商談に有利ってことですか?」
高橋さん 「まぁ、業界が違うので一概にそうとは言えませんが、当時の経験が多少なりとも活きているのはあるかもしれません」
編集 「いろいろな職種を経験することがキャリアにとってプラスに働くいい例ですね。そもそも、トーケン工業さんに決めた理由はなんだったんですか?」
高橋さん 「業績が安定しているっていうのもありましたけど、いちばんは会社の雰囲気が良いところです。営業は同僚や上司、職人たちとのチームワークがなければ結果を出せない仕事。この会社はみんな人が良くて協力的なので、そういったところをストレスなくできるのが自分にとって大きいです。また、営業はクライアントからの要望に応えるために、無理を承知で各所に調整をお願いしなければいけないこともあるんですけど、この会社はそういったことが言いやすい環境だと思います」
編集 「やっぱりチームワークって大事なんですね」
高橋さん 「あ、最後の営業三銃士が来たみたいなんで代わりますね」
ありがとうございました!
ではラストの方お願いします。
神田さん 「どうもこんにちは。私が三銃士のトリを飾る神田です」
編集 「はじめまして! 神田さんがこれまで扱ってきた商材はどういった建物に使われているんですか?」
神田さん 「皆さんが知っているレベルで言えば、東京にある最近リニューアルした大きな競技場がそうですね」
編集 「それは、あの世界的なスポーツ祭典のメイン競技場として使われた場所ですね……。ほかには?」
神田さん 「現在は群馬県の担当なんですが、県内にあるショッピングモールや有名な北欧家具の店舗、会員制の大型倉庫店なんかも手掛けました」
編集 「誰でも知っている有名な企業ばかり! 私も先日、会員制の大型倉庫店に行ってきたばかりなんですが、あのとき触れたカベにはトーケン工業さんの下地材が入っていたかも知れないんですね」
神田さん 「いや、大型倉庫店の場合だと当社の商材が入っているのはバックヤードなんでたぶん違うと思います(笑)。ですが、下地材というのは目に見えなかったとしても、老朽化や地震などから施設を利用されている皆さんを守るために必要なものです。自分にとってもそのような商材を扱っていることに誇りをもっていますよ」
(さすが三銃士! かっこいいなぁ……)
神田さん 「お、そろそろ工場見学ツアーの準備ができたみたいですよ。先ほどの松本がご案内します」
3. 松本さんの工場ガイドについていってみよう
編集 「先ほどはどうもありがとうございました。では、工場見学よろしくお願いします」
松本さん 「お任せください!」
松本さん 「ここに置いてあるものはスタッドといって、先ほど説明した壁の裏側で補強する軽量下地材の一部です。これで数万本ぐらいあります。ですが、この在庫量だとだいたい数日で全部なくなってしまうんですよ」
編集 「えー! すごいですね!」
松本さん 「そしてこの銀色の薄い金属板が、スタッドを加工する前のものです。これを機械に通してお客様の要望に合わせた形状や長さに成型していきます」
編集 「それにしてもこのスタッド、すごい量ですね……。一体、1日に何メートルぐらい作られているんですか?」
松本さん 「10,000mぐらいは作れます。本数にすると3,000本くらいかな」
編集 「10,000m!!?? ってことは10km?? 10kmって言ったら渋谷のハチ公像から上野公園の西郷隆盛像までの距離じゃないですか!」
松本さん 「なんで都内の銅像間の距離で例えるんですか(笑)」
4. 社内に標語の達人がいる?
編集 「いやぁ、工場の中は壮観でした。ああやって工業製品がたくさん並んでいるのを見るとなんかワクワクしちゃいますよね」
松本さん 「そうなんです。職人さんは毎日すごく大変だと思いますけど、やりがいのある仕事だと思いますよ。あ、そうそう、当社の社員で交通安全標語の達人がいますが会ってみますか?」
編集 「何ですか交通安全標語の達人って?」
松本さん 「60社以上が集まっているこの児玉工業団地で定期的に交通安全標語のコンクールがあるんですが、そこで受賞経験を持つ人です」
編集 「ええーすごい! ぜひ会わせてください!」
内田さん 「私が交通安全標語の達人、内田です」
編集 「あなたが達人ですか。突然現れるんですね(笑)」
内田さん 「はい、なぜか呼ばれた気がして」
編集 「内田さんが受賞された交通安全標語を見せてもらえますか?」
内田さん 「社内に貼り出されているのでご案内します」
コロナより
みんなに広がれ
安全運転
編集 「これが受賞作ですか! うん、想いが込められていていいですね」
内田さん 「標語にはその時々の時事ネタを取り入れて作ることが大切だと思っています。今回は賞をいただきましたが、個人的にはまだまだ実力を出し切れていないと思うので次のコンクールまでに準備をしっかりして、悔いのない作品を作りたいと思っています」
編集 「すごい、なんかアスリートの試合後のインタビューみたいだ……」
でも、こういうことに情熱を注げる人は、仕事にもアツい気持ちをもって取り組んでいるんだろうな。
5. 会社の名所「超巨大看板」がスゴい!
松本さん 「さてさて、ガイドツアーのラストを飾るのは当社自慢のロゴ入り巨大看板です。行きましょう」
はて、巨大看板ですか?
そんなのあったかな……。
松本さん 「これです」
編集 「え? これですか? これって看板ですか? 何かのモニュメント(記念碑)じゃないんですか?」
松本さん 「看板です。誰がなんと言おうと看板です」
編集 「分かりました。そんなに言うならこれは看板でしょう……。それにしても大きいですね!」
松本さん 「そうなんです。実は中は倉庫になっています」
編集 「看板じゃないじゃないですか」
松本さん 「いや、看板です。看板なんです」
編集 「もう! 分かりましたよっ(笑)」
まとめ
トーケン工業さんがプライドを持って作っている「下地材」は、普段の生活では壁紙の下に隠れています。でもこれがあるから、私たちの穏やかな暮らしが守られているんですね。
例えるなら、いつもは目立たないけれどピンチになったときに助けてくれる優しいお兄さん。会社からもまさにそんな包容力を感じました。
トーケン工業のみなさん、ありがとうございました!
取材協力:トーケン工業株式会社 関東営業所
〒367-0241 埼玉県児玉郡神川町元原200-13
TEL 0495-77-1011 FAX 0495-77-1195