快適な生活というのは、暑さ・寒さや湿気など目に見えない存在との戦いだったりします。空気の汚れもそのひとつ。花粉やハウスダストに悩まされている人も多いのではないでしょうか。今回ご紹介するエアフィルターは、そういった汚れから空間を守る強い味方。でも、どこにあるのでしょう。実はオフィスビルや病院、商業施設などあらゆる施設でひそかに活躍するフィルターの正体を、製造を手掛ける『協成産業』にお邪魔して確かめてきました。

 

 

 

お話をうかがったのは…
本社製造部に所属するNさん。主任として、本社の生産ラインをけん引している。趣味は高校・大学と続けてきたラグビーで、楕円形のボールを見つけるといまでも血が騒ぎだす熱血漢。

 

 

編集者
本日は、ありがとうございます。早速ですが、エアフィルターについて教えてください。

 

Nさん
よろしくお願いします。これ、当社の中性能フィルターなんですけど、最高ですよね。この造形美、一日中眺めていられる。

 

編集者
えっと、すみません。まったくフィルターのことがわからないのですが、とにかく性能が分かれているのですね。

 

Nさん
あ、フィルターにおける性能というのは、どれだけ細かい汚れを防げるかなんです。たとえば高性能フィルターの代表であるHEPAフィルターがキャッチできる粒子の大きさは0.3μm(ミクロン)。これは髪の毛の1000分の1ほどの細かさです。

 

編集者
ということは、すべて高性能フィルターにすれば万事解決!?

 

Nさん
そう単純でもないんですよ。あまりに細かいものまでキャッチしてしまうと、空気の環境によってはすぐに目詰まりを起こして交換する頻度が上がり、コストがかかってしまいます。取り換えサイクルは1年程度が目安ですので、オフィスビルでは中性能フィルターを、絶対に汚れてはいけない手術室などではHEPAフィルターが使用されます。

 

編集者
使い分けが大事になるわけですか。

 

Nさん
そうなんです。目の粗いプレフィルターから高性能なHEPAフィルターまで生産している当社なら、お客様の用途に合わせた提案ができます。ホテルなどで使用される加湿機能も備えたフィルターをはじめ、特殊な用途にも応えられますよ。

 

編集者
なるほど、ですけど見かけたことがないですね。

 

Nさん
主に天井の内側にある空調機とセットで設置されるので、日常ではほとんど目にすることはありません。

 

編集者
天井裏に隠れて仕事するなんて、まるで現代の忍者!すごく忍んでる、ニンニン。

 

Nさん
ちょっと、そういうのはわからないですね。

 

編集者
ところで、本日は自慢の製品をお持ちいただいているそうで。

 

 

Nさん
これです!

 

編集者
…。それはさきほど拝見しましたけど。

 

Nさん
いえいえ、ちゃんと見てくれていますか。ここですよ、ここ!

 

 

編集者
…。圧倒的なデジャヴを感じています。

 

Nさん
この枠は樹脂製で、当社が特許を取得している優れものなんです。

 

編集者
あっ、枠ですか。

 

Nさん
そうなんです。これまで木枠以外の製品といえば、各社とも鉄とアルミ製でした。それだと、丈夫なんですが重くて。持つのも両手じゃないと。

 

 

Nさん
ところが、樹脂製であれば…

 

 

Nさん
ほら、片手でもラクラク!重量が軽いので天井への取り付けも負担がないんです。

 

編集者
おお、考えられてますね。

 

Nさん
そうでしょう、他にも特徴があって、比較してみると…

 

 

編集者
あれ、さきほどの金属枠も片手持ちですが?

 

Nさん
…まあ、持てますね。でも、大事なのはそこじゃないんです。金属だと廃棄時に分別のため外す手間がありますが、この樹脂ならそのまま廃棄でき、しかも水に強くフィルターの種類によっては洗えば再度使用できます。

 

編集者
それは素晴らしい!

 

Nさん
組立も簡単で、金属枠であれば四隅に2箇所ずつリベットを打って固定するため時間がかかりますが、当社開発の樹脂枠はパーツに空いた凹に、別のパーツの凸をはめる方式なので…

 

 

Nさん
こうして…

 

 

Nさん
ここもはめれば…

 

 

Nさん
すぐに、片面が組みあがります。

 

編集者
おおお、これはすごい!

 

Nさん
でしょ。でも、樹脂でつくるにあたり、製作してくれる業者の選定から始めないといけなかったので開発までに時間はかかりました。

 

編集者
他社も手を出していない分野ですからね。

 

 

Nさん
そうなんです。型をつくることから始めて、さきほどの凸と凹もこだわり、きっちりとはまるようになるまで何度も試作を繰り返しました。「エアフィルターのことなら、協成産業に頼めば大丈夫」と頼っていただける存在になることが弊社のモットーなので、詳しく言えませんがほかにも特注品をつくったりしています。

 

 

編集者
かなり融通が利くわけですね。

 

Nさん
弊社はほぼ手作業なので、自由度は高いですね。効率は悪そうに思えますが良いところもあり、たとえば「吹き流し」型と呼ばれる袋状のフィルターはミシンで縫製する必要があるため、ライバル社では対応していないところも多いです。

 

(吹き流し型は、スタッフが1枚1枚丁寧に仕上げています)

 

編集者
吹き流し型はどういう場所で使用されるのでしょうか?

 

Nさん
有名な場所で言えば、梅田の地下街ですね。

 

編集者
えぇっ!梅田ダンジョンとも呼ばれる、あの巨大迷宮で使用されているとは。

 

Nさん
かなり広いので、その分だけ使用するエアフィルターの数も多く、1万5千枚はゆうに超えていますね。

 

編集者
某武道館の収容人数並み…。

 

 

Nさん
大口の案件はほかにもあり、梅田を代表する商業施設でも使用されています。入社するまで存在も知りませんでしたが、現在はこの仕事に誇りを持っていますし、製品にも愛着がありますね。

 

編集者
いい話ですねぇ!じゃあ、いいものが出来上がれば枕元に置いて寝たりとか。

 

 

Nさん
いえ、ないですね(きっぱり)。まだ、愛が足りないですわ。

 

 

 

あとがき

いかがでしたでしょうか。今回取材した『協成産業』は50年以上の歴史があり実績も豊富です。何十年も働ける会社でキャリアを積みたいという方は、ぜひ注目してみてください。

 

 

取材協力:協成産業HP(https://www.kyosei-s.jp/

採用HPはこちら(https://job-gear.net/kyoseiscareer/